創業から50年、たゆみなく事業を創造し、挑戦し続けている三洋産業様は、コーヒーの焙煎、充填加工から抽出器具の製造販売まで手がけるコーヒー関連の総合メーカーです。情熱の人、中塚社長にお話を伺いました。
コーヒー用の脱酸素剤をご縁に
コーヒー用の脱酸素剤、サンヨーフレッシュ(OEM)をご利用いただきありがとうございます。
もう、20年ほどになりますかね。
コーヒー豆は焙煎すると炭酸ガスが放出されるため、充填後は袋の中の炭酸ガスを抜く必要があります。なので脱酸素剤が欠かせません。
世界で一番最初に円すい形のペーパーフィルターを製造
三洋産業さんといえば、ペーパーフィルターのパイオニアでハンドドリップを推奨されていますね。
創業当初から「本当に美味しいコーヒーを家庭で楽しんでもらいたい」という想いでOEMメーカーとして、ペーパーフィルターを中心にコーヒーの抽出器具を作ってきました。
世界で一番最初に円すい形のペーパーフィルターを作ったのはうちなんです。
価格競争からの脱却
しかし、一般家庭にコーヒーが普及しスーパーの棚にコーヒー豆やペーパーフィルターなどが並ぶようになった頃、コーヒーの知識を持たないバイヤーから卸値の見直しを求められるようになりました。
どうしたら価格を下げられるかを考えていた時、父親である先代社長から言われたんです。「信用を落とすのは早いぞ。失った信用を取り戻すのに、どのくらいかかるかわかってるのか」と。
美味しいコーヒーを飲んでもらうためにやっているのに、これでは本末転倒だということに気づきました。
原点に立ち返って
それが、自社ブランドCAFECの立ち上げにつながったのでしょうか?
そうですね。理論に基づいた商品を作り、熱い想いをもって自分たちで広めていきたいと2016年にオリジナルブランドCAFECを立ち上げました。
三洋産業のコーポレートメッセージは、「その先にあるコーヒースマイルを!」です。「その先」は「家庭」。愛する家族や大切な仲間とコーヒーを囲んで笑い合える空間を作ってほしいんです。
家庭でハンドドリップで美味しいコーヒーを淹れるのは難しいという方が多くいらっしゃって。
誰でも簡単に美味しいコーヒーを淹れることのできるペーパーフィルターとドリッパーの開発に力を注いでいます。
自家焙煎とペーパーの研究、その両方をしているからこそ
美味しいコーヒーを淹れるために大切なことはなんですか。
要素は4つあります。
①品質の良い、焙煎度にあった ペーパーフィルター
②理想的な形状のドリッパー
③湯温と湯量
④焙煎後二週間以内の豆
抽出には理論があって、早く落ちればいい、遅く落ちればいいというものではないんです。
豆によって焙煎の度合いも違えば、挽いた時の粗さも違います。
そのため、ペーパーフィルターで抽出の速度をコントロールできるよう、両面に入れたクレープ(シワ)の高さや紙の厚みを変え、浅煎用、中深煎用、深煎用と焙煎度別にラインナップしています。
ドリッパーも、お湯が粉を通過する時間が長いほどコーヒーの旨味が増しますので、粉の膨らみを阻害しないよう窪みをつけ、深い濾過層で抽出できる形状に仕上げています。
どちらも、自家焙煎とペーパーの研究をしている当社だからこその独自の抽出理論に基づいて設計・デザインされています。
世界中のコーヒーラバーのために
海外展開も積極的にされていらっしゃいますね。
コロナで外に出掛けられなくなり、『家で美味しいコーヒーを飲みたい』という需要が増えたこともあって、コロナ以前は10カ国に満たなかった海外の代理店取引先が、現在では80カ国にまで広がりました。
CAFECの器具を使ったコーヒー抽出方法の動画の公開、オンラインセミナー、国内、海外問わず出向いてのセミナーなど、ひたすら地道に啓蒙活動を行っています。
大分を牽引する企業として
大切にされていること、取り組んでおられることはございますか。
得意先様を大切にするのはもちろんですが、サプライヤーを大事にする。これは絶対ですね。サプライヤーあってこそ商品・サービスをお客様に届けることができますから。
また、大分県地域牽引企業創出事業認定、大分県功労者表彰、経済産業省「はばたく中小企業・小規模事業者三百社」受賞など、いただく機会が続き、身の引き締まる思いです。
お手本となれるよう、会社の体制を見直し、広報や品質管理などの強化に取り組んでいます。
サプライヤーを大事にする。本当にそうですね。
情熱をかけて取り組んでおられる姿は、私たちの励みとなります。
本日はありがとうございました。